【広島県】広島韓国商工会議所大震災チャリティ
広島韓国商工会議所が、創立40周年で企画する東日本大震災チャリテイ公演が、5月27日、広島市アステールプラザ大ホールで開催され、世界的に有名な会話のない劇「ナンタ」公演や、「ハンソリ」、モンゴル舞踊、中国人医学博士で二胡奏者の姜暁艶(ジャン・ショウイェン)さんによる二胡演奏、フィリピン女性歌手によるジャズ・アンサンブルなどが行われ、それぞれチャリテイに協力した。
公演に先立ち広島韓国商工会議所の姜仁秀常任顧問が「東日本大震災において、東北では膨大な被害と経済活動が停滞する状況になっており、その影響は西日本にも及んでいます。その中にあって広島韓国商工会議所は地域との連帯を図りながら在日同胞の経済活動の支援や地域に根差した運営をしていきます」と挨拶した。
また、同会議所の朴喆鐘前会長も「東日本大震災の衝撃的内容に驚いています。すぐに会員の方から自分たちのできることをやろうとして急遽チャリテイ公演として挙行することになりました」と公演の実現経過を語り、挨拶した。
公演は二部構成で、一部は「国際交流コンサート」、二部は「ナンタ」公演。
まずハンソリのメンバーがサムルノリ「豊年マダンノリ」を演奏。太鼓の音やドラやラッパの音で会場を沸かせ、沢山の拍手を受けた。特に太鼓を叩きながら踊る様子は躍動的な動きで舞台せましと観客を魅了、子供たちのメンバーも大活躍した。
ハンソリは2003年5月に広島に住んでいる韓国人と韓国が大好きな日本人で結成され、毎週日曜日には広島市の西区古田公民館で練習に励んでいる。特に世界文化遺産宮島での日韓文化パレードが有名。
続いて二胡奏者の姜暁艶(ジャン・ショウイェン)さんが楽器二胡でシルクロードにちなんだ曲を演奏した。これらの曲は、シルクロードをテーマにしながら「いのちの尊さと平和の願い」「心の豊かさと癒し」「慈しみの心世界に届け」をテーマにしており、全てが心を癒す曲だった。ジャンさんは中国大連市出身、2002年広島大学で医学博士号を取り、原爆被害者支援活動や精神障害者などに音楽療法などを行っている。
続いて広島修道大学大学院留学生で中国・内モンゴル自治区出身のモンゴル舞踊家ウリさんが食器を使ったダンスを披露した。さらに一部の最後にはフィリピン歌手「べべ」さんを中心にした音楽ユニットがジャズを披露した。特にフランク・シナトラが歌ってヒットした「マイウェイ」の曲をべべさんが歌うと会場から多くの拍手があった。
二部では、韓国史上最多観客動員記録を持つ世界的に有名なセリフのない韓国の劇「ナンタ」が始まると、会場から大拍手。「ナンタ」は、韓国の伝統リズムである「サムルノリ」をベースにひとくせもふたくせもある四人のコックさんが時間内に結婚披露宴の料理を作り上げるというコメディ。
斬新なアクションで食器やまな板、包丁など、厨房にあるすべての物が楽器に変わる。一番の見どころは大量の野菜を舞台で切り刻む所。野菜が会場中に飛び散るとキャベツ、キャベツと日本語でコメディを演じてくれ、子供も腹を抱えて大笑い。会場からもお客さん男女一組舞台に上げられ、舞台の俳優達が作った料理を一緒に食べるというパーホーマンスが、会場に大受けだった。
最後に観客を巻き込んでの拍手合戦があり、最後まで観客をあきさせない演出は見事だった。「ナンタ」の制作会社・PMCプロダクションは、5月21日東日本大震災の復興支援として一億ウォン、日本円で724万円を寄付した。
記事 丸本英夫
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