<世界平和を願い日韓の伝統芸能を披露>
<平和を祈願しながら巡行>
日韓文化友好「飛鳥創都祭」が10月20日、21日の二日に渡って奈良県明日香村で開催された。主催:「飛鳥創都祭」実行委員会【奈良県明日香村、忠清南道扶餘郡、在日本大韓民国民団奈良県本部、教育文化ジャーナルコリアンワールド】、共催:奈良新聞社、協力:古都飛鳥保存財団、あすかサポート共同体、朝日新聞社、後援:大韓民国・忠清南道、関西・大阪21世紀協会、NHK奈良放送局、アジア協会アジア友の会、平和統一聯合近畿連合会・渡来人研究会、特別協賛:八千代病院、青洲会診療所、金田グループ、ダイヤモンドソサエティ、近畿産業信用組合、中央鋼管建材、エム・ケーグループ、三越土地。
日本国・奈良県明日香村と大韓民国・忠清南道扶餘郡が姉妹都市として提携して今年で40周年を迎えた。ともに日韓の古代の都であり、両国はいにしえの時代から国際交流を活発にし、飛鳥文化と百済文化の中心として発展してきた。日本で初めて都が創られた飛鳥は素晴らしい自然景観に囲まれ、歴史文化遺跡が集結している。明日香は朝鮮半島とは歴史文化の交差点であり、飛鳥を見つめることは日本誕生を振り返ることであり、朝鮮半島からの渡来人を中心とする人々と歴史を共有してきたことを確認し合うことになる。
おりしも、今年は高松塚古墳が発掘されて、同じく40周年を迎えた。高松塚古墳は飛鳥地方の西南部に位置し、1972年の発掘時に発見された女子群像の壁画は「飛鳥美人」と称され、渡来系絵師が朝鮮半島の女性を望郷の念にかられて描いたという説がある。それが事実なら、まさに女子群像は日本と朝鮮半島の友好のシンボルであり、高松塚古墳は当時の朝鮮半島と日本列島との文化往来の足跡が凝縮されている史跡と言える。
今回の日韓文化友好「飛鳥創都祭」は、高松塚古墳発掘40周年と明日香村・扶餘郡姉妹提携40周年を祝うとともに、飛鳥が日本国最初の都として誕生した際、朝鮮半島からの渡来人らが深く関わってきたことに思いを馳せ、その多文化共生のモデルを現代に呼び起こしていきたいという趣旨で開催された。
1日目の歴史シンポジウム、2日目の「飛鳥美人」撮影会や飛鳥寺での文化祭を通して、古代飛鳥と朝鮮半島との友好の歴史を振り返りながら、現在の混沌とした東アジアにおける軋轢、覇権争いの抑制を願い、日韓両国の一層の平和友好を展望した。
1日目は明日香村立中央公民館で「東アジア歴史文化シンポジウム」を開催した。第1部は「飛鳥美人」飛鳥・扶餘友好親善大使任命式が行われ、舞鶴正治・財団法人古都飛鳥保存財団常務理事から女優でユネスコ・アジア文化センター顧問の中野良子氏に親善大使の任命状が授与された。第2部は「素晴らしき明日香 歴史ロマンを語る」と題してライブトークが行われ、森川裕一・奈良県明日香村村長と映画監督の川瀬直美氏が対談した。第3部は「飛鳥・高松塚古墳から東アジアを見つめる」と題するシンポジウムを行った。上田正昭・京都大学名誉教授が基調講演を行い、仲尾宏・京都造形芸術大学客員教授のコーディネートのもと金両基・比較文化学者、堀井良殷・関西・大阪21世紀協会理事長、伍躍・大阪経済法科大学教養部教授の四氏がパネルディスカッションを行った。
2日目は「日韓文化平和祭」を開催した。第1部は高松塚古墳で、高松塚古墳発掘40周年を記念して「飛鳥美人」友好親善大使に任命された女優の中野良子氏をはじめ、「西壁女子群像」に描かれている「飛鳥美人」に扮した女性4名をモデルに撮影会を行った。第2部は飛鳥石舞台から飛鳥寺までの沿道を蘇我馬子を先頭に古代衣装に身を包んだ百済人100人が平和を祈願しながら巡行した。第3部は飛鳥寺にて「飛鳥寺平和祭」を挙行した。日本最古の寺院である飛鳥寺は、渡来人がもたらした建築技術と日本伝統の様式美が見事に調和した仏閣である。日韓文化のターミナルであった同寺院の境内で世界平和を願い、日韓の伝統芸能を披露し、平和宣言を発信した。