第5連合会は定例となっている月例セミナーを渋谷の勤労福祉会館で1月17日に開催。2015年最初のセミナーとなった。
会場には120人が押し寄せ中に入りきれない大盛況であった。講演会のタイトルは「統一コリアの夢・この道しかなし・在日歴史の生き証人が語る魂の叫び」講演者は平和統一聯合初代会長、在日全南道民会会長の具末謨氏。
最初の挨拶に立たれた李和明事務局長は「今日はたくさんの祖国統一の為にご苦労しておられる総連系、民団系の先輩を前にして大変感激しております」と語った。李事務局長の挨拶の言葉のように多くの役職者の先生方が前方の席に座られ、講演が始まると、具先生がゲストの方々からその内の何人かを紹介し、「私が今ここに立っていること自体が奇跡です。生かされている、命の尊さを感じています、感謝です」と感慨深げに語り始めた。
具氏は生い立ちと今回の自叙伝発刊にあたる動機を、以下のように語った。「在日として日本で生まれ、小学4年生の時に故郷の麗水へ行き、日本と母国を往来されながら、36才の時、突然スパイ容疑で拘束され、ひどい拷問を受けて鼓膜が破れ、片方の耳が聞こえなくなっていたし、右の腕も足もうまく使えなかった。さらに結核を発症し一坪に満たない独房に閉じ込められ、血を吐きながら独房の中でも一番端っこの、目の前は死体置き場であった。いつ自分の命が消えてしまうか分からない地獄の監獄生活が10年も続いた。その後は鉄格子のない監獄で77歳となった2012年までの41年間スパイの汚名を着せられた半人間として生きざるを得なかった。大韓民国はその間、私に拭うことの出来ない苦痛と悲しみを与えた。日本で生まれ育った在日韓国人という出自によって大韓民国はただの一度も謝罪の表明や許しを与えてくれなかった。私だけではない。拷問と捏造でつくりあげた在日韓国人のスパイ事件も被害者の数は120余名が政治犯として繋がれた。在日が在日として、人間として、誇りをもって生きていく為に、私の体験は記憶として残さなければいけない、この獄中闘争記を記憶として残さなければ!」
そして、具氏は自分の夢や現状の韓国の状況などについて言及。
さらに文鮮明総裁の38度線に平和公園を作ろうとされたプロジェクトを紹介し、日韓基本条約50周年について言及。「今考えると唯一の政府は大韓民国で北朝鮮を切ってしまった。何故北朝鮮が日本とアメリカと国交を結べなかったのか。当事者の努力が足りない。日朝国交も平行してやらねば世界の人は納得できない。在日が分割されていることは日韓基本条約にも原因がある。韓国と日本が過去を清算し共に統一コリア、東北アジア共同体の未来へ歩み続けよう」という生き証人の命をかけた魂の叫びに参加者は心を打たれた。
一時間半の講演時間が足らず4時まで2時間みっちり語られた。自叙伝も40冊が買われ、サインを求める人が列をなした講演会であった。