2021年まで1カ月も残っていないことを考えてみると、歳月が矢のように早く過ぎていることを肌で感じた。一年を振り返ると、すべてが部門ごとに数を通して整理される。だとしたら、「数」というのは私たちの人生とどのような関係があるのか、と問いかけてみた。
エーゲ海岸のサモス(Samos)という小さな島でピタゴラスが生まれた。ピタゴラス学派は数学の原理こそ万物の原理だと考えていたようだ。彼は数学への関心を持つという事は、魂を浄化する役割を果たすと信じていたという。彼は三部類について整理したという。 第一は、物を買ったり売ったりして利益を得る者であり、第二は、競争のために勝利を求める者であり、最後の第三は、見物に行く者たち、即ち、起こったことを反省し、分析する者であるという。
彼の学説の影響を受けたプラトンは「魂の重要性」、「魂の3 つの分類」、「形状の概念およびイデアに関連する数学の重要性」などだという。
平和統一聯合の数についての発表
12月9日、平和統一聯合の全国ネット会議を行った。その時、担当者たちが数に対する発表をするように頼んでおいた。最も多い発表内容がその1年間を振り返って自分が歩んできた足跡だった。民団と総連の人たちに会ったことや他団体と歴史探訪をしたことなどを例に挙げて数の発表していた。そして、ある人は数と数理の違いを説明する人もいたし、韓国人と日本人の好きな数について話す人もいた。結局、数というのは、自分に意味があろうがなかろうが、一つの方向へ進むためにまとめる力があるようだ。
2020年を、個人の目標と自分が担う役割を勝利するために駆け抜けて来た彼らに拍手を送った。
何でも死角地帯がある。
『100年予測』(ジョージ・フリードマン)には、「怒りは出す歴史を変えることができない。歴史を変えるのは力だ。力は怒りによって強くなるが、地理、人口動態、科学技術、文化にある」と記述されていた。最近、米国の大統領選挙の公正性が話題になった。世論から見て、バイデン大統領候補が有利だという。
4年前には、トランプ大統領が、ラストベルト(Rust Belt)であるペンシルベニア州、オハイオ州、ミシガン州、ウィスコンシン州などアメリカの五大湖近くの州で勝利した。これらの地域はかつて、鉄鋼や自動車など製造工業地帯として繁栄を享受した「スチールベルト(Steel Belt)」だった。この地域が製造業退潮により「さびついた地帯」と変わり、「 America First 」が通じるようになった。しかし、4年後には、過去、黒人が奴隷制度で被害を受けたことが、白人の心としては原罪のようなものとしてある。
そのこと故に、犯罪者の逮捕過程でも黒人犯罪者の命は貴重で、白人警察の命はそれほど重要ではない状況だ。また、東亜日報を見ると、アジア系が選挙に大きな影響を及ぼす結果となったとある。米国内のアジア系有権者数の変化は次のようだという。
ちなみに有権者数は、中国257万6000人、フィリピン195 万6000人、インド186万1000人、ベトナム129万1000 人、韓国94万4000人、日本53万人だそうだ。
このような変化をトランプ陣営が読めなかった結果、今回はバイデンが勝利するようだ。しかし、最終的な判断の結果はまだ予断はできないが、数というものは無視できないようだ。そして、選挙戦略も大衆動員よりもコロナの変化に合わせてSNSを通じて展開をしたバイデンの戦略が通じたようだ。
この時代の流れは何か
「アファーマティブ・アクション(Affirmative Action)という制度がある。この制度は少数人種優遇の入学政策だという。大学入学だけではなく、これらは黒人に配慮した政策を展開した。しかし、「配慮の逆説」がある。配慮された当事者には悪影響を及ぼす場合が多いという。その中で自己成果を出す者は、むしろ、その制度が自助や自立を妨げるという。
この時代は新しい流れが何だろうか。米国でも黒人が政治化しつつあり、アジア系が大統領の当落に影響を与えることを示した米国の選挙結果を洞察してみる必要がある。
今、コロナ19以降、急速に文化と考え方に変化を与えているようだ。私たちにとって、見えない死角地帯が何なのかを深く観察する必要がある。この時代には通念から脱して、新しい目で世の中を眺めて、もっと明るくて無垢な純粋な生を要求しているようだ。世の中の流れは私たち自身が作るのではなく、自然の摂理ではないかと思う。自然の摂理に合わせて世の中の変化に注視し、対応策を立てるためには、数の概念が私たちの生活を整理する重要な役割をすると思う。今までなおざりにしていたものを再び考察し、生きる者だけがこの時代の文化と変化を導いてくれるのではないかと考える。