「コリアンワールドニュース」創刊15周年記念事業の一環で「東アジア平和友好シンポジウム 日本・コリア・中国-平和友好への道」(主催:同実行委員会 後援:一般社団法人高麗1300、公益社団法人アジア協会アジア友の会)が11月12日、東京都千代田区の在日本韓国YMCAアジア青少年センター・9階国際ホールで行われ、李相哲龍谷大学教授、金宗鎮在日本朝鮮社会科学者協会東海支部顧問、大野松茂一般社団法人高麗1300理事長、朴一大阪市立大学教授、李相善コリアンワールド代表らが基調報告、パネルディスカッションを行い、関係者ら約120人が参加しました。
開会の辞で李春雄実行委員長は「自分の身内の事を言われるのは嫌かもしれないが、正しいことはいつも正しい。時局によって見解が変わることは仕方がないこと」とし、「過去の立場を固執すると前に進まない。自分が保守的で思い込みがあるのではないかと、いつも自問自答している。そういうことが本当の友好関係が生まれるのではないか」と述べ、参加者への動機づけをしました。
李相哲教授は、中国が朝鮮半島の問題を解決するキーを握っているとする国連や日本の論調に対し疑問を投げかけ、自身の体験をもとに中朝関係の歴史を説明。中国の北朝鮮に対する戦略は6つあり、特に「アメリカの核を中国に持ち込むな」という主張があることを説明しました。その上で北朝鮮問題を解決する方法は「政権崩壊である」と主張しました。
金宗鎮顧問は名古屋生まれの在日2世であるが、ファミリーの国籍が朝鮮、韓国、日本米国など多国籍であることを紹介しながら、「人間、会って聞いて触れ合うのが大事」と主張しました。
大野松茂理事長は、高麗郡建郡1300年のエピソードやその記念行事、そして内閣官房副長官時代に参加した首脳会談で、国益と国益のぶつかりが極めて厳しいやり取りの側面を見てきた経験から、地域の人々がスポーツ、文化交流、産業などあらゆるチャンネルを通じて市民外交をすることによって実があがると述べ、特に青少年交流が大事であると主張しました。
朴一教授は、アメリカ大統領選挙後の東アジアの軍事の資金問題や経済問題、そして大韓民国の1981年から2003年までの南北関係を修復しようとしていた政治に一定の評価をしつつ、朴槿恵大統領と占い師が決別すると国政が安定すると述べ、韓国、日本、北朝鮮が平和と安全の交渉関係を築いていくことが大切であると述べました。
パネルディスカッションでは、アメリカ、中国、北朝鮮、韓国、日本などの対応の仕方について活発な論議が展開され、コーディネーターを務めた李相善代表が「偏見をなくして、お互い連携しあいながら、北朝鮮の核は経済制裁では解決しないことがわかった。新しい道筋を考えるスタート台に走りにしていきたい。勇気をもって自己主張しながら、平和友好を考えていきたい」とまとめ、閉会しました。
参加した有識者からは「4ヵ国の代表的な立場の方が、それぞれの角度から東アジアの平和友好という共通のテーマについて意見を交わした意義あるシンポジウムだった。また、何回か日本と韓国を結ぶトンネルの話が出てきたが、確かに重要なポイントになると思う。実現できるように何かしていきたい。時々継続して行ってほしいと思う」と感想が寄せられました。