9月9日(月)午後1時30分より、大阪市住吉区民センターにて、近畿連合会結成9周年記念大会が開催された。大ホールと小ホールに在日同胞ら、1,200名が参加した。
本大会前に、式前アトラクションとして在日平和統一婦人会のコーラス2曲(『統一アリラン』、『パンガッスムニダ』)と平和統一聯合近畿連合会韓国舞踊部による韓国舞踊『花の踊り』と鄭林養先生の『僧舞(スンム)』が披露された。
本大会では、金源植本部副会長兼近畿連合会事務局長の開会宣言の後、主催者を代表して徐春子近畿連合会会長が挨拶した。
<徐春子近畿連合会会長>
「この度、前任の黄七福会長の御勇退に伴い、新たに会長に就任いたしました。黄会長が結成以来積み重ねて来られた御業績・伝統を引き継ぎ、更なる発展を目指して頑張る所存でございます。在日同胞として神様の限りない愛を頂きながら自分も知らないうちに大きな使命意識を持って過ごしていたと感じています。昭和42年頃から、行くところがなく可哀想な在日同胞の孤児のために施設を作って、衣食住を提供し教育の機会を与えながら社会に輩出して来ました。2012年3月時点で5000名を越えました。また、在日の子供たちだけでなく、高齢者に対しても手助けできないかと、『故郷の家』の設立に協力しました。それから、京都鼻塚(耳塚)建立の際にも理事として微力を注ぎました。今思えば、神様の導きだったと思います。ですから女性一人でもやって来られたのでしょう。波乱万丈の歳月の間、社会の為に福祉事業を自分が行う事は当然の事だと思っていましたが、過ぎて見ると今の時の為に天が準備して下さったのだと感じます。平和の世界は福祉社会です。私はこれまで主に社会福祉関係を通して在日社会と関わって来ました。今、平和統一聯合と出会い、その目指す方向性に感銘を受けました。これからの人生を祖国の平和統一の為に微力ではありますが、今までの経験を生かして貢献できればと思っています。今後とも皆様の益々の御指導御協力をお願いいたします」との新任の決意を込めた挨拶だった。
続いて来賓祝辞として、国会議員、国会議員秘書、尹ジョンノ・UPF韓国会長、鄭キョンス・元韓国MBCアナウンサー室長で現在21世紀放送フォーラム会長、鄭時東・FPU中央本部会長、徳野英治・FPU中央本部常任顧問の6名が挨拶した。特に最初に挨拶した国会議員の先生は、「早稲田の学生時代に文鮮明先生が勝共運動をされている姿が印象に残っており、今日こうしてこの場に立って挨拶しているのも何かの縁を感じます」と語り、それを聞いた参加者からは「国会議員の先生がそのように大変感謝されている姿を目の当たりにしてとても感動を受けましたし、南北統一に向かって俄然やる気がわいてくる素晴らしい大会でした。」という感想があった。
また、徳野常任顧問は、「昨日、2020年のオリンピックが東京に決まったというニュースが飛び込んできました。その2年前2018年の冬季オリンピックは韓国・平昌で開催されることが決まっていますので、韓国と日本で立て続けに平和の祭典が行われるということは、正に南北統一が現実味を帯びてきたことの証しであります」と語った。
また続いて、平和統一聯合創設以来9年の歩みの紹介DVDの上映に続いて、近畿連合会の直近1年間の活動報告を近畿連合会小宮耕事務次長が行った。
第2部として、宋龍天・FPU諮問会議議長による基調講演があった。メインテーマは、「韓国人、日本人、在日同胞の共助による祖国統一への道、東北アジア平和への道、世界平和への道」と題して論理的でわかりやすく語った。
「祖国統一は、我々民族の宿命であり全人類の願いです。それは、祖国統一が韓半島(朝鮮半島)繁栄のための新しい転換点であり、世界平和のための中心軸であるためです。早くから文鮮明総裁は、このような原則の下に『統一とは、個人的利益に留まらず、国家と民族、更には東北アジアおよび世界的次元において、数多くの肯定的な結果をもたらす』という可能性をご自身の具体的な統一運動を通じて実際に体現してくださっていました。文総裁は、先ず韓半島(朝鮮半島)統一の必要性に対する国民啓蒙運動のみならず、日本をはじめとする在外同胞および全世界人類を対象に祖国統一に対する啓蒙と同参運動を積極的に展開してこられました。『なぜ統一が必要か』という問いに対し疑問が残るようでは、祖国統一の実現自体も困難であるし、また仮に祖国統一が実現したとしても統一以降の未来を楽観することは望めないからです。我々は、文総裁が提唱される祖国統一の必要性と“当為性”の論理が、既存の人間と国家という次元から逸脱し、神の摂理を中心とする個人的次元、国家的次元、そして世界的次元全体を網羅する多次元的観点から総合的に捉え、新しい論理として“定立”されたという点に注目すべきです」と主張した。
これに対して、参加者からは、「何よりも宋議長の講演で、何故在日が統一のカギなのかということを詳しく教えていただきました。分断より60年を超え、もう分断された時に生きていた人々が少なくなってきた今、本国では頭では統一というけれど、それとなくこのままの状態でよいのではないかという人々が増えている。しかし、祖国から離れ、日本の地で苦労する在日の方たちにとっての誇りは、民族であり、祖国であるはずなのに、その祖国がいまだに分断されている。そして北朝鮮にあっては武器を作って南に対峙する中、国民は飢えと寒さに震えている。それを見てその痛みを在日の方たちは本国の人よりずっと強く感じているはずである。南北統一を願う熱い思いが消えないうちに早く早く統一に向かって前進しなければならないことを確認させていただきました」との感想が寄せられた。
講演を受け、閉会の辞として朴明盛・FPU中央本部会長が、「さあ皆さん、日本の内外、そして祖国の多くの人々、世界の人々に声高らかに宣言しましょう。南北の往来の自由により祖国の統一を実現しましょう。祖国統一こそが日本の平和、韓半島の平和、世界の平和を作るその絶対条件であります。私達が願う、日韓トンネルによる祖国統一と東アジア共同体が実現するなら、私達はそこに新しい未来を見ることができます」と訴えた。
最後に、参加者全員で『アリラン』を大合唱し、徐永運・近畿連合会常任顧問の億万歳三唱で結成9周年記念大会を締め括った。
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