この時代の平和統一は遼遠となるのか
金源植 平和統一聯合中央本部事務総長
大韓民国が、今、ひどい疲労感にさいなまれている。朴槿恵前大統領の弾劾以後、裁判の過程で、進歩と保守の考えの相違、韓中関係でのサードの問題による摩擦、北韓の核実験以後、トランプと金正恩の言葉の爆弾の中に、私たちの祖国のスタンスが、曖昧になった。
祖国は、今、政権をかえ、積弊清算の論難の終わりがなくなっている。お互い告発しあうことで、国益のために守るべき国家機密や、企業高級秘密が、他国に流出する場合もあるようだ。一方では、友邦国である、アメリカと日本の関係が遠くなっていっているように思う。半面、北韓との関係は、対話を乞い続け、北韓からはっきりとした歓迎も受けられない祖国の現実が、もどかしくてたまらない。
我が国も、“内部で争い滅んだ中国王朝”のようにならないかと心配になる。晋は、皇帝の無能さと皇后の政権欲が、“8王の乱”という内乱を起こし、宋は、クボプ党(保守派)とシンボプ党(改革派)の党争で政権が変わるたびに、相手側を“奸党”として烙印を押す“過去史清算”をして、明は、ドンリム党とオム党(宦官)の20年党争で、国家安保を失い滅んでいった。
このような面で考えてみると、鄭周永会長が、企業を興すことは、むしろ国家があるからこそだと、言われた。そして、マルハン韓昌祐会長も、国籍は、運転免許証のようであるが、韓民族は永遠だと言われた。このような考え方が、企業を興し、祖国を助けるようになったのだ。
このように見ると、高句麗歴史を中心に、民族の自尊感と正体性をえがく小説家、金辰明(キム・ジンミョン)氏が、予言という小説を出版し韓国で話題になっている。この小説の核心は、KAL機被撃事件について、世界平和統一家庭連合の創始者、文鮮明総裁が生前、ソ連書記長ゴルバチョフと、金日成主席の出会いが、一つの軸をなしている。
この小説の主人公である、文鮮明総裁が残した言葉の中で、編集された本が一つある。『神様の摂理からみた南北統一』というこの本は、総8章で構成されていて、神様が、ご覧になる大韓民国と共産主義と民主主義についての代案と、人類が行くべき道は、為に生きる道だと知らせている本である。今日のように、思想や主義や価値観が、無秩序と混沌の中にある時代には、文鮮明総裁が残した言葉が、どれほど尊い資産かと考えが及ぶ。筆者は、読者の皆様に、あえて申し上げたいのは、この本を読んでいただき、国難を克服する知恵を為政者たちに知らせながら、平和統一が遼遠になっているこの時に、平和統一のために、一つ一つ、実践していかれることを願うものである。