韓日歴史・文化フォーラムが主催の「10周年記念特別講演会」が1月24日愛知韓国人会館5階大ホールにて行われ、講師に薩摩焼の陶工、沈壽官の第15代当主、一輝氏を迎え、第8連合会の事務局長ら5人が参加しました。
沈家の初代は、豊臣秀吉が行った慶長の役の際、薩摩に連行された朝鮮人陶工でありますが、薩摩の島津家は朝鮮人技術者を手厚くもてなしました。沈家は薩摩焼の陶工として400年余の歳月を生き、最近では文部省の審議院として第14代が日韓文化交流に貢献。第15代はイタリアの国立陶芸学校にも学び、伝統の手法に新しい技を加える試みがなされています。
第15代当主の一輝氏は、「陶房雑話」と題し講演。陶芸家らしく「表現」という言葉の定義について言及しました。一輝氏によれば、「表現」という漢字の「現」は、人間の内面にあるものを取り出すこと、「表」はそれを目に見える形にするという意味と説明しました。誰でも自分の思いや感情、哲学、人生に対する姿勢を家業や仕事という道具を使って表す事だと述べました。
参加した劉事務局長は、講演会の後、主催者や朴総領事、鄭民団県本部団長などらと交流して、「歴史を考え、恨みから友好に励むべき教訓を見出すべき」として、「沈壽官のように在日が朝鮮・韓国の400年の歴史を背負っている先輩であると感じました」と感想を述べました。