2月14日(土)、大阪南港にあるWTC(ワールドトレードセンター)ビルのWTCホールにて、第6連合会主催の「在日新春講演会」が開催されました。
民団系在日約50名、総連系在日約20名、日本人の新規約10名を含む総勢約500名がホールを埋め尽くしました。
最初に、黄七福・第6連合会会長による主催者挨拶、金滿辰・第6連合会常任顧問の激励辞、来賓代表者の祝辞がありました。続いて、第6連合会の活動紹介DVDの上映の後、記念講演がありました。今回は2名の講師が立たれました。
この程、第3代平和統一聯合中央共同会長に就任された鄭時東会長にお話しいただきました。ご自身在日二世でいらっしゃり、これまでの体験も踏まえた非常に説得力のあるお話しで、在日の苦労と祖国統一の願いの深さがひしひしと伝わり、大きな感動を呼びました。ある在日の参加者は、「我々同胞を引っ張って行ってくれる新しいリーダーが立った事で、この運動の方向性がよりハッキリして来た様に感じた」と語っていました。
続いて、UPF-Japan 共同会長の徳野英治会長にお話しいただきました。徳野会長は、韓国で日本語のガイドさんから聞いたという体験談を引用しながら、加害者と被害者の関係について問題提起され、最終的にはお互い「恩讐を愛する」次元まで到達しなければならないという方向性を提示されました。
講演後、参加者から感想を聞いたところ、「自分が子供の頃に日本人から受けた思い出したくない嫌な差別体験の情景と重なり、胸が熱くなりましたが、在日の気持ちを良く分かってくれる良い日本人達に出会えて日本人への憎しみを忘れつつあります。」という在日の方、「大変良い話を聞いた。でもこの話を本当に分かった人は少ないと思う。私は身にしみた。あと十年は生きて統一を迎え皆で抱き合いたい。」という94歳の在日のハルモニ、「もし、自分が若い頃に此処と出会っていたら、自分もあの先生方と同じ道を歩んで来たに違いないと思いました。でもこれからでもまだ遅くないので、今後の人生を平和統一のために捧げたいと思います。」という在日の婦人、「在日の方のご苦労と祖国統一の願いの強さに感動しました。また、東アジアの平和大使の役割を遂行する時、歴史の被害者・犠牲者から今度は歴史の創造者としての偉大なる存在となり、未来を築いて行く、というお話しに感銘しました。」という日本人の婦人等、参加者からは口々に感動の感想が聞かれました。また、和歌山から参加した日本人の青年は、この日の朝に不思議な夢を見たそうです。それは次のような内容でした。
夢は、富山の実家が舞台でした。まず現れたのは、髪型が七三分けで、黒ぶち眼鏡をかけた、一見すると男性かと思うような、自分が会ったことのないおばあちゃんでした。そのおばあちゃんが、いきなり背後からやって来て、私の首を脇に挟みながら、首を引っ張るようにして、台所へと連れて行きました。自分は訳も分からず、引っ張られ、あきらかに何か自分に対する怒りのようなものを感じました。そして、自分を白い鞭のような物で打とうとして来ました。次に母親が現れ、その現場を見て、『おばあちゃん、この子に嫉妬しているの?それは、おかしいわよ。孫は愛さなきゃ!』と、止めようしてくれましたが、おばあちゃんは、『南北統一が出来る時に生まれたのがうらやましい!!』と言って、さらに打とうとして来ました。そこへ、実の祖母が現れて、『そういう時に生まれるということは、使命が大きくて、大変なのよ!』とかばってくれましたが、それでも、怒りは収まらないので、私は自分の先祖が、私に対して怒っているんだと、申し訳ない気持ちでいっぱいになり、必死にそのおばあちゃんに対して謝りました。そうしていく中で、徐々に怒りは収まり、おばあちゃんは平常心を取り戻し、そこで夢は覚めました。この青年は、講演会に行こうかどうか迷っていましたが、この夢を見て早速参加したそうです。
今回の講演会に当たって、色々な事が起こりましたが、とにかく在日の方にとっても、日本人にとっても、非常に有意義な講演会となりました。
最後に、この度就任されたもう一人の共同会長でいらっしゃる朴明盛会長と、今回この講演会に合わせて開催された全国事務局長会議に参加した全国18連合会の事務局長も登壇して、姜熙滿・第6連合会副会長の音頭で万歳を三唱しました。
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