この頃、祖国から伝わって来る話を聞きながら、私たちが、忘れてしまって生活していることがあるのではないかと感じている。
国力の順位が、1位米国、2位ロシア、3位中国、7位日本、そして、韓国は9位であると、LA中央日報(2020年5月13日)は報道した。国力とは、軍事力と経済力を総合的に見ながら評価する。70年代だけ考えてみても、スポーツや連続ドラマを見るためにテレビのある家に集まっていたことが、昨日のことのように思い出される。
ところが、73カ国2万名のアンケート(LA中央日報実施)調査結果の記事をみると、わが国の50、60年代までは、支援対象国家だった韓国が、世界9位というその変化の位相に驚いた。そして、この位置まで登って来られたのは、大韓民国の力だけなのかという疑問を持つようになった。朝鮮戦争以降、今日9位となった大韓民国となるために協助してくれた国々を一度ノートに書き留めてみた。
戦闘部隊派兵国(16カ国)
米国、英国、カナダ、オランダ、オーストリア、フィリピン、トルコ、タイ、コロンビア、ギリシャ、ニュージーランド、エチオピア、ベルギー、フランス、南アフリカ共和国、ルクセンブルク
医療支援国(5カ国)
ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、イタリア、インド
戦時物資支援国、地域(32カ国)
グアテマラ、ドミニカ、エクアドル、リベリア、レバノン、メキシコ、バミューダ、ベネズエラ、イラン、台湾、ベトナム、サウジアラビア、日本、スイス、シリア、アルゼンチン、キューバ、アイスランド、エルサルバドル、オーストリア、ホンジュラス、ウルグアイ、イスラエル、ジャマイカ、エジプト、インドネシア、チリ、カンボジア、コスタリカ、パナマ、パキスタン、ハンガリー
戦後復興支援国(7カ国)
ドイツ、リヒテンシュタイン、モナコ、バチカン市国、ハイチ、パラグアイ、ペルー
支援意思表明国(3カ国)
ニカラグア、ボリビア、ブラジル
リトルエンジェルス
UN参戦16カ国巡回公演(総22カ国)
大韓民国がどこにあるのかわからないながらも戦争に参加してくれた方々のために、文鮮明総裁はリトルエンジェルスをUN参戦16カ国に巡回公演をするように送られた。
米国ワシントン公演(2010年6月9~12日)を皮切りに、インド(2011年11月23日)まで、文総裁が民間外交活動を主導された。特に16カ国の中で、文鮮明・韓鶴子総裁ご夫妻が直接主管された、ドイツ・ベルリンTempodrom(2011年5月17日)公演には私も参席した。大韓民国から来たリトルエンジェルスの公演をみて、参戦勇士たちが足を踏みならし、手拍子を打って感激する姿を今も忘れることができない。
ドイツのために何を準備せねばならないか
昨年には、かつてベルリンで総裁ご夫妻が直接主催されたリトルエンジェルス巡回公演の成功の時を思い出し、セミナーに参席するためにドイツに行った。「2019インターナショナルシンポジウムインベルリン」で、「開かれたドイツ再統一と統一韓国のビジョン」というテーマのセミナーに参加した。
わが大韓民国は、いつ統一が来るのか考えてみた。今は、ベルリンの壁の崩れたところが大きな都市に変わり、ブロックの傷跡だけが残っている。わが大韓民国が統一されたら、どのように変わるのか考えてみた。
また、月刊朝鮮10月号に「特集 ドイツ統一30周年」という主題で取り上げられたものを調べてみた。1989年11月9日ベルリンの障壁が崩れてから1年経った、1990年10月3日に、ドイツが統一されるまでの329日間、コール総理とその時の状況を読むことができる。この記事を読み、私たちも南北が再び出会う日が来ることを期待してみる。ところが、わたしたちにはいくつかの宿題があるようだ。
社会的雰囲気の考察
まず、社会的な雰囲気を主導する側で「自由と統一」という主題で自由を後ろに押しやり、統一だけを優先することが、果たして良いことなのか、よく見なければならない。また、もう一つ検討すべきことは、統一という用語の中に「民族の概念」が強く入っているからである。民族の概念が強く入ってくると、「意志だけで統一ができる」という我流に陥りやすいものだ。
その理由は、ドイツの統一が私たちに教訓を与えてくれることが多いとみている。彼らも、周辺国であるソ連とポーランドと英国とフランスの反対があった。しかし、そのような状況の中で強力な米国の指示があり可能だった。この点からみると、未来の統一韓国は、覇権国家である米国と隣国である日本との外交と、未来のビジョンを十分に分かち合わなければならない事がわかる。
私たちの後孫たちに何を遺すのか!
「100年予測」(ジョージフリードマン)という本を読んでみたら、現在、米国と中国は覇権で争っているが、100年後には、世界を主導する国に対することを予測する本である。
世間は変わっている。「『自立国家』日本の創り方」(北野ヨシノリ)も読んでみた。100年後にも繁栄する国を作ることに対して、様々な苦心と提案があった。
私たちの国も、100年後を考え、後孫に自由と平和と幸福を与える指導者が現れることを希望する。100年後の世の中はどのような世界になるかわからないが、少なくとも、国境がなく自由に往来できる世界となるであろう。そのような世の中で生きる世界を追求する私たちは、大韓民国が世界の主導国家になり、統一祖国となるためには、私たちを助けてくれた16カ国とプラスアルファの国に対する感謝を伝え、助けを与えられる国になるべきだと信じている。
私たちの記憶の中に、感謝すべき国と、大韓民国のために死んでいった若者たちのことを忘れずに、受けた借りを返す国となることを期待する。わが国のために、苦労された国を記憶するときに統一がやってくるだけでなく。その日が人類の祝祭の日となるであろう。